掛け捨て時代の保険

日産生命や東邦生命が破綻してからの消費者の生命保険会社への冷たさには、ものすごいものがあります。確かにこの不景気に、一生懸命節約して支払ってきた生命保険の保険料。これは、イザという時には何とか保険が助けてくれるだろう、と思っていたからです。

しかし、そういった信頼は大きく崩れてしまいました。そこで、大量の保険解約という自体になっているのですが、もしこの本を読まれている読者の方の中に保険の解約や見直しを考えられている方がいらっしゃったら、これだけは言っておきたいと思います。

むやみな保険解約はかえって損になることも多いものです。じっくりと考えられてからの決断であればまだしも、単に保険解約ブームに流されてということだけは避けて頂きたいと思います。それから、保険は掛け捨てにしなさい! などという安易な物言いにつられると、今まで長年積み上げてきた財産がひとつの契約変更によって泡のように消え去ることもあります。これこそ、生命保険会社の思うつぼです。

保険は万が一の時に残された家族の生活を最低限手助けしたり、大病で入院した時に思ケ存分治療に専念出来るという様に、誰もがぜひとも必要な役割のあるものなのです。一時の感情に流されて、保険の持っている本来の大切な役割まで否定して、簡単に捨ててしまうことの無いようにお願いしたいと思います。

私は今回の保険解約ブームの背景は生命保険会社の破綻だけが引き起こしたものではないと思っています。一番大きな理由は、生命保険会社の破綻以降、テレビ、ラジオ、雑誌などで生命保険の商品説明( とくに定期付き終身保険) などが大きく取り上げられるようになり、多くの方が生命保険というものの商品をより深く理解するようになったからではないかと思っているのです。

生命保険のセールスレディの方の勧誘で何となく加入したときの大きな理由は、保険商品を購入するというだけでなく、「自分は預貯金をしている」といラ意識が高かったからのはずです。つまり、保険を買うというよりお金を預けているだけということです。ですから、自分の預けたお金が全て利息がついて戻ってくるんだと考えていたわけです。

ところが、少し勉強してみると、定期付き終身保険のように多くをしめる定期特約の部分は掛け捨てだし、保険に加入するときに書いてあった保険の設計書にあった配当金は約束されたものでもない。じつは毎月払っていた保険金の半分は掛け捨て保険分に対してであって、万が一のことが無い限り戻ってこないことがわかったわけです。

ただ、これからの生命保険は掛け捨て保険を中心に考えていくことが大切だということも事実です。読者の方は、佐藤さんという人は掛け捨て保険がいいと言ったり、貯蓄型保険もいい場合があると言ったり、よくわからないと思われる方もおられると思います。

安い保険料か魅力の「こくみん共済」

厚生省の監督下で全国労働者生活協同組合連合会(全労済)が取り扱っている商品に、あの有名な「こくみん共済」(個人定期生命共済=定期保険)があります。

全労済の生命共済のなかで、もっとも人気のあるベストセラー商品です。大きな特徴は、年齢に関係ない安い保険料の「掛け捨て商品」だということです。本来、生命保険の保険料は年齢や性別によって変わってきますが、こくみん共済は保険金額による加入者全員の保険料は同じ、つまり、年齢の高い人ほど有利ということです。さて、こくみん共済のような。掛け捨て” 保険というと、「結局損をする保険じやないか… … 」とよいイメージを持っていない人が多いようですが、そもそも保険は契約者が損をするようにはつくられてはいないのです。

たしかに「掛け捨て」は保険が掛けられている被保険者に契約期間中に何も起こらなければ、保険会社に支払った保険料は一切戻ってきません。そのかわり満期保険金がある養老保険や一生涯の死亡保障がある終身保険と比べると保険料がグンと安いというメリットがあります。

掛け捨ての定期保険のなかでももっとも保障内容が充実している「こくみん共済」の保障内容です。とくに、通院保障が付加されていることは見逃せません。こくみん共済は月々三〇〇〇円( 加入年齢一五?四五歳)、月々二〇〇〇円(加入年齢一五~五九歳)、月々一〇〇〇円(加入年齢○~一四歳) の3つのコースがあります。ここでは二〇〇〇円コースを取り上げました。

結局、払い込む保険料を最小限に押さえて、万が一のときの大きな保障だけを求めるか、少々高い保険料を支払ってでも、〈貯蓄十保障〉タイプにするかは、まさにどういう目的で保険に加入するか、経済的にはどうかといった、加入者自身の状況次第といえます。

子供が幼いうちや教育費がかかる間は、とくに大きな保障が必要です。そしてこの一番大きな保障がほしい時期に、出費も重みます。こういう状況のときこそ、少しでも保険料を安くして、大きな保障を得る「掛け捨ての定期保険」がもっとも適しているといえます。「掛け捨て保険」も利用する人の立場や環境によっては大変メリットのある保険なのです。